燻製と聞いて、まっさきに思い浮かぶのは煙という方も多いはずです。
しかし、煙の代表格ともされるタバコには、健康被害があることが証明されていますよね。
食材に煙をまとわせる燻製は、体に悪いのでしょうか?
燻製の煙が健康にもたらす影響や、燻製が体に悪いとされる燻煙以外の原因などをまとめました。
燻製は体に良いの?悪いの?
結論からいえば、燻製には体に悪い側面があります。
燻製の製造過程において、微量ではあるものの体に悪い成分が発生するからです。
しかし、リラックス効果に期待ができるなど、体に良い影響をもたらすこともありますので、体に良い・悪いというのは断言することはできません。
どんな料理や食品にもいえる話ではありますが、燻製が体に悪いというのは結局のところ「食べ過ぎはよくない」ということのようです。
燻製が体に悪いとされる主な原因は燻煙
燻製が体に悪いイメージに結びつきやすいのは、燻製を作る際にあがる煙が主な原因とされています。
燻製の煙、いわゆる燻煙にも、タバコの煙にあるような有害物質は含まれているのかを調べてみました。
燻製の煙(燻煙)の成分
燻煙の代表的な成分は、下記の通りです。
- フェノール系化合物(殺菌・酸化防止・香りのもと)
- カルボニル化合物(殺菌・香りやのもと)
- 有機酸(酸化防止・抗菌)
なお、国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)によって出版された書籍によると、木材を燃やした際にあがる燻煙の化学成分は、2019年までに300を超える成分が確認されているそうです。
このなかには、ヒトに対して発がん性があるとされる有害物質・ホルムアルデヒドやベンゾピレンも含まれています。
揚げ物などの高温調理にもリスクがある
燻製が体に良いか悪いかと聞かれれば、有害物質が含まれる点では体に悪いといえるでしょう。
しかし、揚げる・炒める・焼くなど高温での調理時にも、発がん性があるとされる有害物質の発生が確認されています。
普段当たり前のように行っている加熱調理や、何気なく飲んでいる焙煎されたコーヒーにも少なからず有害物質は含まれているので、「燻製は危険!」と健康被害についてそこまで神経質になることもなさそうです。
燻製が体に悪いとされるその他の原因
燻製が体に悪いといわれるのは、燻煙だけが原因ではありません。
燻製が体に悪いとされる燻煙以外の原因も、あわせて見ておきましょう。
塩分が高いから
燻製が体に悪いといわれる原因のひとつに、塩分の高さがあります。
ベーコン、スモークサーモンといった生の状態よりも長い期間楽しめる燻製品には、それなりの量の塩が使われていますので、体に悪いといわれるのも無理はありません。
ここからは余談ですが、燻製の塩分が高いのは、燻製がもともと長期保存を目的に作られた調理法であることが関係しています。
燻製は、燻煙中に乾燥が進むことや、燻煙のなかにある殺菌・酸化防止などの効果をもつ成分によって、食材の長期保存を可能にする調理法です。
ただ、水分が多い食材であれば、多少煙をあてたくらいでは保存性はそこまで上がらないため、燻煙前に食材を塩漬けにし、脱水が進んだ状態で燻すのが食材をもっとも長く保存できる作り方とされています。
つまり、賞味期限・消費期限の長い燻製は、塩分が高いことが多いのです。
食品添加物が使われることが多いから
燻製と聞いて、ベーコンやソーセージなどの加工肉をイメージする方も多いのではないでしょうか。
加工肉には、色を鮮やかにしたり、量を増やしたり、味を整えたりするために添加物が加えられているものが大半です。
また、防腐剤や保存料などの添加物が使われることも多いため、燻製品(加工品)には食品添加物が多い=燻製は体に悪い、という構図になってしまうようです。
お酒とあわせることが多いから
お酒とあわせて楽しむ方も多い燻製。
スモーキーな風味と塩味をしっかりと感じられる燻製はお酒にアテにぴったりですが、お酒が進みすぎてしまうという理由から燻製が体に悪いと考える方も一定数存在します。
体に悪いのは本来、アルコールを過剰摂取してしまうことなはずなので、この主張にはきっと燻製自身も驚きでしょう。笑
体に悪い燻製の発がん性物質は取り除ける
燻製が体に悪いとされる主な原因である燻煙ですが、実は、燻煙内の発がん性物質をほぼ取り除くことに成功したという研究結果もあります。
イギリスのレディング大学の現教授、ジェーン・K・パーカー氏の研究によると、車やエアコンなどの排気管に取り付けられるゼオライトフィルターを用いることで、燻煙のなかから発がん性物質であるベンゾピレンを93%も取り除くことができるそうです。
そのほかにも、燻煙内の刺激が強い成分が除去されるため、フィルターなしで燻した時よりもまろやかな仕上がりになるのだとか。
より安全で、より美味しい燻製を手軽に作ることができる日も近いかもしれませんね。
燻製が体に悪いものにするかは自分次第!
燻製が体に悪いとされるの主な原因は、燻製の製造過程で発生する燻煙に微量ながら有害物質が含まれるためです。
また、塩分の高さや食品添加物の多さ、お酒が進んでしまうことなどから、燻製が体に悪いというイメージをもつ方もいます。
しかし、加熱調理した料理やコーヒーなどにも、燻製と同じように体に悪い成分が含まれますので、燻製だけがとりわけ体に悪いということもなさそうです。
特に気にならない方は常識の範囲内で、気になってしまう方はご自身の体調や健康面にあわせて燻製を楽しんでくださいね。
ただし、食べ過ぎ、飲み過ぎにはご注意を!
(美味しい燻製をほどよく食べたくなった方は、燻製屋猫松をぜひご利用ください!)
コメント